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いぼ痔

実は2種類ある!?
いぼ痔(痔核)とは…?


痔核とも言ういぼ痔は、肛門周辺にあってクッションのような役割を果たしている血管などの塊である静脈叢への血流がうっ滞し、静脈叢の一部がいぼのように腫れてしまう病気です。
肛門は、直腸の粘膜と外側の皮膚が直接繋がってできており、その境目は波状のはっきりとした線になっていて、それを歯状線と言います。
歯状線の直腸粘膜側にできるものを内痔核(ないじかく)、外側の皮膚にできるものを外痔核(がいじかく)と言い、できる場所の違いによって症状も治療法も異なります。

内痔核

痔核の場合、まず保存療法を中心に考えます。病気の進行度によっては外科的な処置や手術が必要になることもありますが、手術が必要になるのは全体の1~2割程度です。
内痔核の場合、排便などで痔核がおしりにいぼができたように、肛門外へ飛び出してしまう脱肛が起こりますが、痛みはあまりありません。脱肛や出血の度合いなどによって治療の方針が決まってきます(下表)。

Ⅰ度 脱肛(痔核が肛門外に飛び出す)はまだ無いが、出血の可能性はある。
Ⅱ度 排便時などに脱肛が起こるが、自然にもとに戻る状態
Ⅲ度 排便時などに脱肛が起こり、指で押し込むようにしないと戻らない
Ⅳ度

ほとんど脱肛したままとなり、指で押し込んでもすぐまた飛び出してしまう。粘液によって下着が汚れることもある。

外痔核

排便時の肛門周辺への負荷によって、肛門の皮膚側の静脈叢がうっ血してできるのが外痔核です。出血はさほどではなく、内痔核のような脱肛はありませんが、皮膚には知覚神経が通っているため痛みが強いのが特徴です。


いぼ痔の原因

便秘によって排便の際に強くいきんでしまうことの繰り返しや激しい下痢、重い荷物を持つ仕事などで肛門周辺に負荷がかかり続けることにより、お尻にかかる負荷を分散して肛門に直接刺激を与えないように働いている静脈叢とそれを支える骨盤底筋群が過分に伸び縮みすることで障害されてしまい、静脈叢がうっ血していぼ状に膨らんでしまいます。
障害された場所によって内痔核になるか、外痔核になるかが決まります。


いぼ痔の症状

内痔核

  • あまり痛みは無い
  • 肛門からいぼ状の痔核が脱肛する
  • 排便時の出血

内痔核は肛門の直腸粘膜側にできたもので、粘膜上には知覚神経が無くほとんど痛みはありません。そのため、ある程度大きくなって脱肛するまで気づかないことも多く、治療開始が遅れてしまう傾向があります。
出血は多めで、時には便器が真っ赤になるほどの出血を起こすこともあります。また、脱肛の際や炎症を起こした際に痛みを感じることがあります。
特に、脱肛した際に肛門が痙攣して輪ゴムのように痔核を締め付けてしまう嵌頓痔核になると激しい痛みを感じることがあります。

外痔核

  • 出血はあまり多く無い
  •  痛みを感じることが多く、特に大きく腫れた場合は強い痛みがある

外痔核の場合は皮膚側の肛門にできるため、知覚神経が通っていて痛みを感じやすいことが特徴です。出血はあまりありませんが、肛門に強い力がかかったり冷えたりして突然血豆のようなものが肛門周辺に発症する血栓性外痔核の場合、血豆が破れると大出血となることがあります。


いぼ痔の検査

診断については、まずは問診で症状や病歴などを詳しくお訊きした後、肛門を診察することになります。
肛門診察はまず患部の状態を拝見した上で、触診と指を肛門内に入れてしこりなどを調べる指診を行い、次に肛門鏡を入れて肛門内の状態を観察することになります。


いぼ痔の治し方

内痔核と外痔核では多少治療の方法が異なる場合もありますが、基本的にはどちらの場合でも内服薬、外用薬(坐剤、軟膏など)による保存療法を行っていきます。
しかし、出血や脱肛の度合いによっては、外科的処置や手術を検討することもあります。
便秘や生活習慣などをそのままにすると再発も多くなりますので、便秘の治療を同時に行うことや生活指導を行うこともあります。


便潜血検査陽性といぼ痔

便潜血検査は、便中に肉眼で見えないほどの血液が含まれていないかどうかを確認するもので、主な目的は大腸がんのスクリーニングテストです。
しかし、便潜血が陽性だった場合、大腸がんによる出血の可能性もありますが、その他消化管の病気による出血か、痔による出血なのかは便潜血検査だけでは分かりません。つまり、便潜血検査陽性でも必ずしも大腸がんとは限らないということになります。
一方、便潜血が陰性でも、たまたま採取した際に消化管や痔核など肛門からの出血が無かったというだけで、大腸がんではないとは決定できないことに注意が必要です。
そのため、便潜血検査陽性の場合は、精密検査を受けて自分の腸の状態を確認しておく良い機会という考え方をして、精密検査に臨むことをお勧めします。
精密検査の方法としては大腸カメラ検査となりますが、1度だけの検査で確定診断のためのサンプル採取まで可能になる点がメリットと言えるでしょう。
当院では、大腸カメラ検査の経験が豊富な医師が最新式の検査システムを駆使して、正確で迅速な検査を行っておりますので安心してご相談ください。

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